今日の健康トピックス - Part 3

加齢黄斑変性の症状

網膜の中心部には、物の形や大きさ、色、明暗などを識別する視細胞がたくさん集まっている「黄斑部」と呼ばれる部分があります。この黄斑部が加齢などによって障害され、視力低下を引き起こす病気が「加齢黄斑変性」です。
有力な原因の一つに遺伝的な体質があります。ほかにも危険因子として喫煙、飲酒、紫外線、有害な化学物質、食生活などが関係していると考えられています。

この病気は、新生血管と呼ばれる異常な血管が網膜に向かって伸び、血管壁から漏れ出した血液成分や水分がむくみや出血を起こし、視機能に異常をきたす「滲出型」と、網膜の外側にある網膜上皮細胞と、脈絡膜の中の毛細管板という部分が萎縮して、視機能に異常が現れる「萎縮型」の2タイプに分けることができます。日本人に多いのは、滲出型です。

この病気は、ふつう、目の痛みはありません。また、黄斑部の変性は片目に発生することが多く、普段は両目を使い、良い方の目で補いますので、かなり進行しないと異常に気が付かないこともあります。

初期の段階では、中心暗点といって視野の中心が見えにくくなります。物を見ようとすると、ちょうど真ん中の部分がぼやけて見えたりします。人の顔を見ようとしても、目鼻の形や表情がつかめません。
また、物や景色の一部がゆがんで見える変視症が現れます。障子の桟や壁のタイルなど、規則正しく並んだものを片目で見ると、一部がゆがんでいることに気づきます。

視力の低下は、初期には軽度ですが、黄斑変性が進行すると、急激に視力が落ちてきます。もともと視力がよかった人が、眼鏡で矯正しても0.1の視力まで低下するケースも少なくありません。
この状態でも、中心部は見えないが周囲の景色や状況は見えるので、日常生活を送ることができますが、見たいものが自由に見えないという不便さ、精神的な苦痛は大きなものになります。

上記のような自覚症状が現れたら、すぐに眼科で加齢黄斑変性の検査を受けましょう。この病気は、片方の目が発症した人のうちおよそ半数が、その後もう一方の目にも発症するとされていますので、健康なほうの目も、定期的に検査を続ける必要があります。

加齢黄斑変性の検査

眼科では、まず視力検査を行います。また視野検査では、「アムスラーチャート」と呼ばれる格子状の試験表を使って、見えにくい部位やゆがんでいる部位がないかを調べます。眼底検査では、検眼鏡や眼底カメラで、眼底に病変がみられないか、網膜の状態は良好化、観察したり撮影して調べます。

さらによく調べるために、蛍光色素を含んだ造影剤を用いた蛍光眼底造影が行われます。この検査で血管の状態がはっきりわかり、もろく危険な新生血管がどの部分へ、どの程度伸びているのかが確認できます。

眼内に出血などがあって、眼底を見通せない場合は、超音波検査で眼底の様子を画像化して診断することもあります。また、超音波の代わりに弱い赤外線を眼内に発し、眼底に反射して戻ってくる光をとらえて、眼底の断層画像を得る光干渉断層計(OCT)が用いられるケースもあります。

加齢黄斑変性の治療

加齢黄斑変性には、1.黄斑の組織が加齢とともに萎縮する「萎縮型」、2.新生血管と呼ばれる異常な血管が、網膜側に伸びてくる「滲出型」の2つタイプがあり、それぞれ治療法が異なります。

萎縮型に対しては多くの場合、治療は行われません。有効な治療方法がないということもありますが、萎縮型は進行が非常に遅いため、基本的には経過をみていくことになります。ただし、新生血管が突然できて、滲出型に移行する場合があるので、放置せずに、定期的に眼科を受診することが大切です。

滲出型では、黄斑部に伸びた新生血管がさまざまな障害を引き起こします。したがって、新生血管の位置が治療法を決める上で重要になります。新生血管がもっとも視機能の高い「中心窩」に及んでいなければ、新生血管に直接レーザーを当てて焼きつぶします。

中心窩に及んでいる場合は、特別なレーザーに反応する光感受性物質を利用して、新生血管を内側から壊す「PDT(光線力学療法)」が用いられます。

乳がんの自己チェック

以下のセルフチェックを行い、乳房や乳首の変形に気づいたり、しこりが触れたり、茶色や血性の乳汁分泌が見られたら、乳腺専門医を受診しましょう。
なお、月経の前後は乳房が浮腫を起こすため、乳腺は通常より硬く触れ、しこりの存在はわかりづらくなります。その時期を避けて、1ヶ月に一度、風呂に入るときに行なうのが理想的です。

1.両手を下げて、鏡の前に立って、左右の乳房の形をよく見ます。両手を挙げて、乳房にくぼみがあるか、乳首が傾いていないかをチェックします。

2.乳首を軽く絞り、茶色や血性の分泌があるかどうかを見ます。少量の透明や黄色の分泌は心配ありません。

3.湯船につかって調べます。右手を上げて左手で右の乳房を触ります。3本の指をそろえて下から上へ撫でるようにします。反対も同じようにします。

糖尿病網膜症:中途失明の原因第1位

20~60歳の中途失明の原因で最も多いのが、神経障害腎障害とともに、「糖尿病の3大合併症」と呼ばれている、糖尿病網膜症(第2位は緑内障)です。自分では気づきにくい病気ですが、早い時期から血糖をコントロールすることで、発症を遅らせることができます。

血糖が高い状態が長く続くと、全身のさまざまな血管に障害が起こってきます。なかでも、障害を受けやすいのが毛細血管です。網膜には、目に十分な酸素と栄養を供給するために、毛細血管が網の目のように張り巡らされています。ところが、糖尿病を発症して長い経過をたどるうちに、網膜の毛細血管が傷み、その障害が徐々に進行していきます。

糖尿病網膜症は、血管が破れて小さい出血を起こしたり、出血や浮腫が吸収された後にタンパクや脂質が沈着して起こるシミ(硬性白斑)が見られる「単純網膜症」、網膜の細い血管が詰まり始め、酸素不足に陥る「前増殖網膜症」、酸素不足を補おうと新しい血管(新生血管)がつくられますが、壁がもろいために簡単に破れて出血し、網膜の前の硝子体まで出血する「増殖網膜症と、進行状態によって3段階に分けられます。

最後の段階までくると失明する寸前といえます。しかし新生血管ができ、病変がここまで進んできても、出血が起こらない限り、まだ自覚症状が現れてこないのです。ここがこの病気の恐ろしいところです。

診断に有効なのが、眼底検査です。眼底検査では、網膜の出血や硬性白斑なども見つけることができます。ただし、網膜の血流が途絶えた部位を調べるのには、あまり向いていません。

そのため、糖尿病網膜症が進行した患者さんに対しては、造影剤を使って眼底の状態を調べる蛍光眼底造影が行われます。この方法で血流が途絶えた場所がしっかりと確認できますし、新生血管の有無もはっきりとわかります。

治療にあたってはまず血糖のコントロールが基本となり、進行具合にかかわらず継続して取り組む必要があります。初期の単純網膜症の段階なら、血糖コントロールだけで進行を食い止めることも可能です。血糖コントロールは、食事療法と運動療法を中心に行いますが、コントロールが難しい場合には、血糖降下薬やインスリン注射などの薬物療法を併用します。

中期の前増殖網膜症や、後期の増殖網膜症に対しては、網膜の血流が途絶えた部分にレーザーを照射して焼き固める「レーザー治療」が行われます。レーザーで焼き固めることで、新生血管ができるのを防いだり、すでにできた新生血管をつぶします。
ただし、レーザー治療は進行を遅らせるためのものですので、視力が回復するわけではありません。また、黄斑部を避けてレーザーを照射するので、逆に黄斑部だけむくみが強まり、視力が悪くなる可能性もあります。

新生血管が破れて、硝子体に大量の出血が生じた場合や網膜はく離が起こった場合には手術をおこなって、出血や増殖膜を取り除き、新生血管を凝固したり、剥離した網膜を焼き付けます。

飛蚊症:数個程度の浮遊物が見えるのは、生理的なものです

視野の中に、小さな泡のようなものが連なって見えたり、ふわふわした糸くずのようなものが浮かんで見える症状です。目の前に蚊が飛んでいるように見えるので、飛蚊症と呼ばれますが、原因は一般に硝子体の老化現象のためと考えられています。
硝子体は瞳の後ろにある水晶体のさらに後方にあって、眼球の内部の大部分を占めています。中身の大半は水分で、ゼリーのように固まっており、すぐ外側にある網膜を支え、外部からの衝撃によって網膜が傷つかないように保護する役目をしています。

ところが、年をとるにつれてこの硝子体の構造が次第に変化し、ゼリーのように均一でなくなり、一部が水分と線維質に分解してしまいます。そして、その線維が硝子体の中にフワフワと浮き、それが網膜に影を映すため、目には糸くずのように見えるのです。

こうした変化は、男女とも40歳を過ぎたころから始まり、50歳代から60歳代にかけて、かなり多くの人にみられます。強い近視の人では、もっと若いときからもみられます。したがって、数個程度の浮遊物が見えるのは、生理的なものですので、あまり心配することはありません。

しかし、注意しなければならないのは、飛蚊症が網膜剥離ぶどう膜炎などの前触れとして起こる場合です。硝子体は老化によって少し縮まります。
そのとき網膜から剥離(硝子体剥離)することがあり、その際、やはり視野の中にちらちらしたものが見えます。人によってはやがて網膜に孔があき、そこから硝子体液がもれ、網膜剥離が起こることがあるのです。老化とは関係なく起こる網膜剥離の場合にも、同じような症状が現れます。

このように、他の病気の前駆症状として起こる飛蚊症と、単なる生理的なものとは、自覚症状だけからは区別ができません。いずれにしても症状が現れたなら、一度眼科を受診するようにしましょう。

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