ノロウイルスによる食中毒
「食中毒」と聞くと夏のイメージが強いかと思いますが、二枚貝を生で食べる冬季にはノロウイルスによる食中毒が多く発生しています。おもに汚染されたカキが原因食品として知られています。その他にもウチムラサキ貝(大アサリ)、シジミ、ハマグリなどの二枚貝なども挙げられます。

冬季に人の小腸で増殖したウイルスが便中に排泄され、下水から沿海へと流出していき、ごく微量なウイルス量が貝の中腸腺に蓄積されると考えられています。特に、沿岸部で養殖されているカキやホタテなどの二枚貝は1日に120~600リットルもの海水を体内で循環させているといわれ、ウイルスが蓄積されやすいといえます。
ノロウイルスの潜伏期間は24~48時間で、症状は発熱や腹痛、嘔吐、下痢などを伴った急性胃腸炎です。通常は2~3日程で回復しますが、高齢者の人は脱水症状や合併症により重症化することがあります。また、感染しても発症しない場合や軽いかぜのような症状の場合もあります。
症状が落ち着いた後も3~4日間、長いときは1~2週間も便からウイルスが排出されるため感染予防が必要です。
ノロウイルスはほとんどが経口感染により口から入り、体内で小腸上部の細胞に感染して増殖します。多くは汚染されていた貝類を、生あるいは十分に加熱しないで食べた場合です。
そのほかに、食品の取扱者が感染しており、その人を介して汚染した食品を食べた場合や、感染者の便や嘔吐物から二次感染する場合があります。
ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。脱水症状にならないように嘔吐や下痢などに対する対症療法を行います。


