糖尿病網膜症は中途失明の原因第1位です | 今日の健康トピックス

糖尿病網膜症:中途失明の原因第1位

20~60歳の中途失明の原因で最も多いのが、神経障害腎障害とともに、「糖尿病の3大合併症」と呼ばれている、糖尿病網膜症(第2位は緑内障)です。自分では気づきにくい病気ですが、早い時期から血糖をコントロールすることで、発症を遅らせることができます。

血糖が高い状態が長く続くと、全身のさまざまな血管に障害が起こってきます。なかでも、障害を受けやすいのが毛細血管です。網膜には、目に十分な酸素と栄養を供給するために、毛細血管が網の目のように張り巡らされています。ところが、糖尿病を発症して長い経過をたどるうちに、網膜の毛細血管が傷み、その障害が徐々に進行していきます。

糖尿病網膜症は、血管が破れて小さい出血を起こしたり、出血や浮腫が吸収された後にタンパクや脂質が沈着して起こるシミ(硬性白斑)が見られる「単純網膜症」、網膜の細い血管が詰まり始め、酸素不足に陥る「前増殖網膜症」、酸素不足を補おうと新しい血管(新生血管)がつくられますが、壁がもろいために簡単に破れて出血し、網膜の前の硝子体まで出血する「増殖網膜症と、進行状態によって3段階に分けられます。

最後の段階までくると失明する寸前といえます。しかし新生血管ができ、病変がここまで進んできても、出血が起こらない限り、まだ自覚症状が現れてこないのです。ここがこの病気の恐ろしいところです。

診断に有効なのが、眼底検査です。眼底検査では、網膜の出血や硬性白斑なども見つけることができます。ただし、網膜の血流が途絶えた部位を調べるのには、あまり向いていません。

そのため、糖尿病網膜症が進行した患者さんに対しては、造影剤を使って眼底の状態を調べる蛍光眼底造影が行われます。この方法で血流が途絶えた場所がしっかりと確認できますし、新生血管の有無もはっきりとわかります。

治療にあたってはまず血糖のコントロールが基本となり、進行具合にかかわらず継続して取り組む必要があります。初期の単純網膜症の段階なら、血糖コントロールだけで進行を食い止めることも可能です。血糖コントロールは、食事療法と運動療法を中心に行いますが、コントロールが難しい場合には、血糖降下薬やインスリン注射などの薬物療法を併用します。

中期の前増殖網膜症や、後期の増殖網膜症に対しては、網膜の血流が途絶えた部分にレーザーを照射して焼き固める「レーザー治療」が行われます。レーザーで焼き固めることで、新生血管ができるのを防いだり、すでにできた新生血管をつぶします。
ただし、レーザー治療は進行を遅らせるためのものですので、視力が回復するわけではありません。また、黄斑部を避けてレーザーを照射するので、逆に黄斑部だけむくみが強まり、視力が悪くなる可能性もあります。

新生血管が破れて、硝子体に大量の出血が生じた場合や網膜はく離が起こった場合には手術をおこなって、出血や増殖膜を取り除き、新生血管を凝固したり、剥離した網膜を焼き付けます。