ピロリ菌で胃がんリスクが高まることを確認 | 今日の健康トピックス

ピロリ菌はやっぱり胃がんの原因に

健康志向が高まる中、食品・飲料メーカーもあの手この手で新製品を出していますが、その中でも最近ホットな市場となっているのが、胃潰瘍や慢性胃炎の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌をやっつけようという乳製品(ヨーグルトなど)ですね。

ピロリ菌の祖先は深海底の熱水噴出口付近に生息する特殊な微生物で、光合成が不可能な暗黒下でも硫黄や水素をエネルギー源に有機物を作り出すという「こち亀」の両さんなみの生命力の持ち主です。祖先がこんなんだったら、胃酸の中でも繁殖できるのもうなずけます。

このピロリ菌、先述の胃潰瘍や慢性胃炎のほかに、胃がんの原因にもなると長い間言われ続けていたのですが、今年になって初めて動物実験でその説が確認されました。北海道大の畠山昌則教授の研究チームが、マウス実験によってピロリ菌が作り出す「CagA」と呼ばれるたんぱく質が、胃がんの引き金になることを発見しました。

研究チームは、全身の細胞でCagAを作るよう、受精卵の段階で遺伝子操作したマウスを222匹作ったところ、うち2匹は約1年半後には胃がんを、4匹は小腸がんを発症しました。さらに、17匹が白血病などの血液がんを発症し、CagAが胃がん以外にも関係する可能性も浮かんだ。一方、通常のマウス100匹も観察を続けたが、がんは発症しなかったそうです。

ピロリ菌に感染した人すべてが胃がんになるわけではありませんが、感染率は40歳以上では50~80%以上と年齢とともに高くなりますし(井戸水を飲んでいたことと関係ありという説があります)、名古屋大学の浜島信之教授らによる研究では、日本人はヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると胃がんになりやすい体質であることも、明らかにされています。

気になる方は病院でのピロリ菌検査を受けてみてはどうでしょうか。僕は強烈な胃痛に襲われたときに、紹介書を書いてもらって、日赤でピロリ菌の呼気検査というのを受けました。尿素の入ったカプセルを飲んで、ウィダーインゼリーのパックのようなものに息を思い切り吐いて、二酸化炭素の量を調べるというものでしたが、非常簡単ですぐに結果がわかるのでオススメです。

なお冒頭に書いたヨーグルトなどではピロリ菌を完全に死滅させるにはいたらず、ある程度減少させるに過ぎないそうです。