呼吸器 | 今日の健康トピックス

重症のCOPDには在宅人工呼吸器療法

COPD(慢性閉塞性肺疾患)が重症になってくると、在宅酸素療法を導入する場合がありますが、さらに重症化した場合、在宅酸素療法だけでは、夜間、寝ている間に換気
が悪くなり、高CO2血症を起こすようになります。
寝ている間に高CO2血症になると、朝起きたときに、頭痛がしたり、眠っているのに疲労感があるといった症状が出てきます。

このような場合、在宅人工呼吸器療法を用いることがあります。これは、マスクを用いた人工呼吸法で、NIPPV(非侵襲的陽圧換気療法)といいます。NIPPVは、平成10年度に健康保険適用になりました。

健康保険が適用になったおかげで、在宅酸素療法だけでは、酸素が不足してしまう患者に、昼間は在宅酸素療法、夜間はNIPPVを用いるという併用療法が行なわれるケースも増えています。

NIPPVを導入するに当たり、人工呼吸器の仕組みや取り扱いを患者やその家族が十分に理解し、習得する必要があります。また、何か問題が起きれば、すぐに医療機関に連絡が取れるような体制が必要になりますが、この療法がうまくいけば、息切れなどの症状の改善、起床時の頭痛や疲労感などの改善に役立ちます。

65歳以上の人は肺炎球菌ワクチンの摂取を

数多くの抗生物質が開発された今日でも肺炎は、がん、心臓病、脳卒中に次いで日本人の死因の4位を占めており、今も増加傾向を示しています。肺炎での死亡者は特に高齢者に多く、さらに心臓や呼吸器に慢性疾患を持っていたり、肝障害や糖尿病のある人などは肺炎に掛かりやすく、症状も重篤化しやすい傾向があります。

肺炎の原因は各種細菌やウイルスなど、たくさんの原因微生物がありますが、肺炎球菌はそれらの中でも最も頻度が高く、原因微生物の25%といわれています。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌の約8割に有効で、安全性も高く、抗生物質に耐性のある肺炎球菌にも有効とされています。

通常1回のワクチン接種で5年間以上にわたって効果が持続しますが、効果が出るまでには2~3週間かかります。WHO(世界保健機関)はこのワクチンの摂取を勧告しているにもかかわらず、65歳以上の摂取率は0.1%程度にすぎません。

このワクチンは「肺炎球菌ワクチン」であって、「肺炎ワクチン」ではありませんから、全ての肺炎に効果があるというわけではありません。肺炎にかからないようにするためには、一般的な生活上の注意や心がけが重要であることは変わりありません。なお、このワクチンは任意摂取であって保険は効きません。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の根治には禁煙

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、肺気腫慢性気管支炎気管支喘息などに代表される肺の慢性炎症性疾患です。慢性気管支炎と肺気腫の両方を合わせると、40歳以上の人口の5%が罹患していることがわかっており、今後益々増加する傾向にあります。

もっともよく見られる症状は、せき、たん、呼吸困難です。体を動かしたときに息が切れ、ゼーゼーとのどが鳴ることがあります。重症になると吸気に比べて呼気が長くなり、口をすぼめて息を吐くようになります。さらに進行すると、心不全の症状もみられるようになります。

COPD(慢性閉塞肺疾患)の発症、増悪原因は、長期にわたる喫煙です。慢性閉塞性肺疾患と診断された場合は、喫煙者の場合は禁煙が唯一の治療法です。あとは抗生物質や気管支拡張薬、去痰薬を服用して、たんがよく出るようにしたり、在宅酸素療法で呼吸をスムーズにするなどの対症療法です。

ちなみに、日本での在宅酸素療法患者の約4割は、慢性閉塞性肺疾患患者といわれています。重症の場合は、入院治療が必要になることもあります。

ジメジメする梅雨時は過敏性肺炎に注意しましょう

九州でも記録的大豪雨とまさに梅雨まっさかりの今日この頃。こんなに雨の日が続くと、掃除や洗濯ができない上に部屋はジメジメと不快指数がMAXになりそうですが、こんなときはエアコンや洗濯機など日の当たらないところに発生したカビが引き起こす「過敏性肺炎」に要注意です。

発熱や咳、呼吸困難、疲労感、体重減少などが現れるこの病気、環境によって様々なタイプに分類されますが、一番多いのが高温多湿の家屋に増殖するトリコスポロンというカビが病原体となる「夏型過敏性肺炎」です。

この病気の厄介な点は、医師が診断しないと普通のかぜとの鑑別ができないという点です。そのため、「毎年この時期になると風邪を引くんだよな」と勘違いして、過敏性肺炎を繰り返している危険性があります。個人差もありますが、このような状態が数年ほど続くと、肺胞が縮んで呼吸困難が現れる肺線維症を引き起こすこともあります。

治療に際しては、ばず病原物質を特定して除去するか、隔離します。急性型で重症の場合は、副腎皮質ステロイド薬の服用が有効です。この時期は室内の換気をよくし、空調装置の掃除やフィルター交換をこまめに行うことが大切です。