口腔 | 今日の健康トピックス

子供の歯列矯正の時期

歯列矯正には、単には並びだけの問題と骨格的な問題を含んだものがあります。

歯並びだけなら、大人になってからでも矯正は可能ですが、通常子供の歯列矯正を考えるときは、前歯が永久歯に生え変わった小学3年生ごろを目安に小児歯科や矯正歯科などに相談するのが望ましいとされています。
この年齢だと、矯正方法に選択肢が多く、より適切な処置が可能になるからです。

それより早く、乳歯のうちに治さなければならないのは上下の髪あわせが横にずれる「交叉咬合(こうさこうごう)」です。乳歯で交叉咬合があると、永久歯になってもそのまま成長するため早い時期に上下の歯列を整え、左右のバランスを浴する治療が必要です。

そのまま放置していると、大人になったときに顔の形が変形したり、口を開閉するときに顎の関節に音がしたり、口の開閉がスムーズに行かなくなり、激しい痛みを覚える顎関節症の原因になります。

唾液は虫歯予防の強力な味方です

唾液は、口の中や歯の表面を洗い流してくれます。糖が分解されて作られる酸を薄めるはたらきもしています。

唾液は虫歯予防の強力な味方です。ただ、寝ている間は唾液の分泌量が少なくなるため、このようなはたらきも低下します。そのため、夕食後の歯磨きは特に重要となります。

唾液には、歯そのものを強くするはたらきもあります。生えたばかりの歯は、柔らかく傷つきやすいものですが、唾液に含まれるミネラルやたんぱく質がカルシウムと結びつき、少しずつ歯を強くします。

このような効力のある唾液をたくさん出すためには、よく噛むことが大切です。唾液の量が減ると歯に影響するだけでなく、発育を促進するホルモンや、発がん物質を解毒する酵素も分泌されません。よくかんで、唾液をたくさん出すことが、毎日の健康には欠かせないのです。

キシリトールで虫歯予防

近年、キシリトール入りのガムなどが人気になっています。キシリトールは植物性の人口甘味料の一種です。甘味料ですが、砂糖などと違って細菌の餌にはならないので、歯に害をもたらすことはありません。それどころか、虫歯病原菌の増殖を抑える働きがあることがわかっています。

細菌が増殖できなければ、プラークが歯に付着する力が弱くなるので取れやすくなります。キシリトールだけでプラーク(歯垢)が取れるわけではありませんが、歯磨きと併用することで相乗効果が得られ、虫歯予防に大いに役立ちます。

過信は禁物ですが、例えばガムを選ぶ場合でも、甘みに砂糖を使っているかキシリトールなどの人口甘味料を使っているかで、歯への影響はずいぶん違ってきます。

ボトルタイプのガムだと、ついつい食べ過ぎてしまいがちですが、キシリトールの過剰摂取は下痢を引き起こしますので、注意しましょう。

歯ブラシ選びのポイント

歯ブラシを選ぶ際は、まず毛が植えつけられている部分(ヘッド)の大きさをチェックします。磨きやすさからいえば、小ぶりのものがよいでしょう。

毛の硬さも重要です。硬すぎるのは、歯や歯肉を傷める恐れがあります。柔らかすぎると、磨くときに力を入れすぎてしまいます。硬すぎず、柔らかすぎず、がベストです。手の甲などを、歯を磨くのと同じ強さでこすってみて、痛くないぎりぎりの硬さがよいとされていますが、店頭ではパッケージに入っていますので、購入前の確認は難しいですね。

毛の太さもいろいろありますが、細かい毛が密集しているもので、ある程度コシのあるものが適しています。グリップ部は、自分が握りやすいものを選びましょう。歯ブラシは使っているうちに毛先が広がってきます。広がり始めたら、取替えどきです。そのまま使っていると、きれいに磨けないだけでなく、当たる角度によっては歯肉を傷めてしまうことがあります。

最近は、電動歯ブラシも普及しています。高速で動くため、磨く時間は2分程度でよいので便利ですが、時間が短縮される分、奥のほうの磨き方がおろそかになる傾向があるようです。とくに歯並びの悪い人は注意しましょう。

歯周病治療:骨髄細胞を利用して顎の骨を再生

中高年の7割が持っているとされる歯周病菌は、組織を破壊する分解酵素や白血球などを破壊する毒素を持っているものがおり、口の中で繁殖すると歯肉に炎症を引き起こします。この炎症が進行していくと歯と歯の間に「歯周ポケット」ができるので、そこに歯垢がたまりやすくなるのです。歯垢はがたまると菌が増えて、毒素がさらに強くなり歯槽骨を溶かし、最終的には歯が抜け落ちるにいたります。これが歯周病です。

歯周病は単に口の中の問題だけでなく、動脈硬化の促進や誤嚥性肺炎、糖尿病の悪化、早産など、体の広範囲にわたって悪影響を及ぼします。歯周病菌の毒素や炎症によって発生した物質が、血管を経由して全身に広がる危険性が高いからです。

歯周病にはブラッシングによる予防が一番ですが、近年は治療技術も進歩し、重症な場合でも歯肉を切開して、中の歯垢を除去し、歯肉の一部を切除して治療する「フラップ手術」などが行われています。ただし、さらに重い歯周病では歯を支えていた顎の骨もやせてしまうため、歯が抜けた後に義歯を入れることが困難になり、顎の別の部分の骨や腰の骨を移植したり、人口骨を埋め込むしかありませんでした。

そんな中、注目を集めているのが顎の骨に骨髄の細胞を入れて、骨を元通りに自然再生させる治療法です。東京大医科学研究所の各務秀明客員准教授らが東京医科歯科大学などと協力して行った臨床試験によると、患者から採取した骨髄を培養し薄くなった顎の骨に盛ったところ、およそ2年半で10人中8人がインプラントを入れられる状態まで骨が再生されたそうです。今後の有力な治療法の一つになりそうですね。

「歯の衛生週間」がスタートしました

6月4日からスタートした「歯の衛生週間」。僕らオッサン世代の頃とは異なり、現代は健康志向の高まりを受けて、小さな頃からしっかりとオーラルケアを心がけている人が多いようです。例えば、厚生労働省の調査によると、歯磨きを毎日複数回する人は以前より増加傾向にあり、1日2回は49%、3回以上は21%に上っているそうです。また、デンタルフロスや歯間ブラシなど歯磨き用ブラシ以外の歯間清掃用具を使う人も、5年間でと1.5倍に増えています。

しかし、面白い(?)のは、虫歯歯周病になる人はそれほど減っていないという点です。特に歯周病の予備軍である歯肉炎は、成人の8割以上が罹患しているといわれ、減少するどころか増加傾向にあります。歯の手入れを熱心にする人が増えているにもかかわらず、口腔トラブルが一向に減少しない背景には、不適切なブラッシングと「磨き癖」も関係しているようです。

多くの人に共通している磨き癖は「ブラッシング時間が短い」「磨いている場所に偏りがある」「必要以上に強くごしごし磨いている」のようです。ブラッシング時間は、1日10分の理想に対して、実際には1回の磨き時間が1分以下で、歯間清掃を行わない人も少なくありません。これでは虫歯や歯周病になる可能性が高くなるのも仕方ないですよね。

また、右利きの人は右側、左利きの人は左側が磨きにくく、磨き残しになることが多いそうです。磨き残しを避けるためには、右上、右下、左上、左下と順番(グラディウスの隠しコマンドを思い出した)を決めて、それぞれ同じ時間を欠けて磨くようにしましょう。

「汚れが取れそうだから」と力いっぱいに歯磨きするのは逆効果で、歯のエナメル質が削れたり歯肉が削れたりして、冷たい飲み物などがしみる知覚過敏になってしいます。特にレモンやグレープフルーツなどの柑橘系や酢漬けなど酸性飲食物多く食べる人は、歯が酸で柔らかくなる酸蝕症にリスクが高くなります。

僕は電動歯ブラシを使っているのですが、行きつけの歯医者でアドバイスしてもらったのは、「電動歯ブラシを当てた状態でテレビ画面を見て、画面が少しでも揺れているように見えたら、力の入れすぎ」だそうです。ほんのちょっと、触れさせてやるだけでいいんですね。