感染症 | 今日の健康トピックス - Part 2

MRSA:抗生物質が効かない耐性菌に変化

MRSAとは、メチシリン(オキサシリン)という抗生物質に、耐性があり効かない、黄色ブドウ球菌という意味の頭文字をとったものです。健康な人には感染することのない病原性の弱い常在菌が、易感染状態の人などに感染することを「日和見感染」といいますが、このMRSAは現在、院内感染の原因として問題になっています。

MRSAは特に鼻腔内に常在する菌ですが、抗生物質の投与を受けると性格の異なる菌に交代現象を起こします。そして抗生物質が効かない耐性菌に変わるのです。
そのために高齢者や易感染状態の人に感染すると治癒しにくくなり重症化することも少なくありません。

保菌者(キャリア)は金を保有しても症状がなく感染性は低いです。発症者は喀痰や褥瘡などさまざまな部位で検出されており、MRSAの感染症状も高く見られます。
具体的には血液にMRSAが感染して敗血症を起こし、呼吸器では肺炎、消化器では腸炎などを起こします。傷口や褥瘡に感染すると治癒しにくくなり、膿瘍を生じたりします。

MRSA感染症も治療は一般の感染症と同様に、抗生物質による治療が主体となります。経口薬では主にニューキノロン系抗菌剤を使用しますが、一般的に経口薬より注射薬が効果を発揮する場合が多いです。注射薬では特にバンコマイシンが有効であり、よく使用されています。

ノロウイルスによる食中毒

「食中毒」と聞くと夏のイメージが強いかと思いますが、二枚貝を生で食べる冬季にはノロウイルスによる食中毒が多く発生しています。おもに汚染されたカキが原因食品として知られています。その他にもウチムラサキ貝(大アサリ)、シジミ、ハマグリなどの二枚貝なども挙げられます。

冬季に人の小腸で増殖したウイルスが便中に排泄され、下水から沿海へと流出していき、ごく微量なウイルス量が貝の中腸腺に蓄積されると考えられています。特に、沿岸部で養殖されているカキやホタテなどの二枚貝は1日に120~600リットルもの海水を体内で循環させているといわれ、ウイルスが蓄積されやすいといえます。

ノロウイルスの潜伏期間は24~48時間で、症状は発熱や腹痛、嘔吐、下痢などを伴った急性胃腸炎です。通常は2~3日程で回復しますが、高齢者の人は脱水症状や合併症により重症化することがあります。また、感染しても発症しない場合や軽いかぜのような症状の場合もあります。
症状が落ち着いた後も3~4日間、長いときは1~2週間も便からウイルスが排出されるため感染予防が必要です。

ノロウイルスはほとんどが経口感染により口から入り、体内で小腸上部の細胞に感染して増殖します。多くは汚染されていた貝類を、生あるいは十分に加熱しないで食べた場合です。
そのほかに、食品の取扱者が感染しており、その人を介して汚染した食品を食べた場合や、感染者の便や嘔吐物から二次感染する場合があります。

ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。脱水症状にならないように嘔吐や下痢などに対する対症療法を行います。

サルモネラは代表的な食中毒の原因菌です

サルモネラは近年、発生件数の1,2位を占める代表的な食中毒の原因菌になっています。福祉施設や病院でも発生して問題になっています。健康な成人では症状が胃腸炎にとどまりますが、小児や高齢者では重篤になることがあります。

食中毒の60~70%は、主として鶏卵が原因になっています。原因食品としてはオムレツ、卵焼き、ケーキ、マヨネーズなどの卵を使った食品が多いです。その他、食肉も原因となっています。犬や猫などのペットやネズミ・ハエ・ゴキブリ・ミドリガメが穂金している場合もあります。

主にみられるのは、発熱や腹痛、嘔吐、下痢などの症状をともなった急性胃腸炎です。症状はまず悪心および嘔吐で始まり、数時間後に腹痛や下痢がみられます。下痢には粘液、膿、血液が混じることがあり、3~4日持続します。しかし、1週間程度で多くの症状は軽減に向かいます。
高齢者では急性脱水症及び菌血症を起こすなど重症化しやすく、回復も遅れる蛍光があるので注意が必要です。

治療は、発熱と下痢の脱水の補正と腹痛などの胃腸炎症状の緩和を中心に、対症療法を行います。強力な止痢剤は回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいとされています。症状が強い場合は抗生物質を使用する場合もあります。

O-157による食中毒に気をつけましょう

O-157は、菌が体外に分泌する毒素たんぱく質(ベロ毒素)を産生する腸管出血性大腸菌の感染によって起こる全身性の感染症です。ベロ毒素は、大腸の粘膜内に取り込まれたのち、タンパク質の合成を阻害し、細胞は死滅します。ほかにもベロ毒素を産生する大腸菌はO-26,O-111,O-128などがあります。

発生時期は夏季にピークが見られますが、1年中通して報告されています。この菌は強い酸抵抗性を示し、胃酸の中でも生残することが知られています。感染力が高く100個レベルの菌の数で発症します。

無症状や軽い腹痛、下痢のみで終わるものから、頻回な水様便や激しい腹痛、著しい血便(潰瘍性大腸炎)とともに合併症を起こし、ときには死にいたるものまでさまざまです。多くの場合は、おおよそ3~8日の潜伏期間をおいて、発症します。

主な感染経路は、菌が付着した食物や水などを摂取することで感染します。人から人への二次感染は、感染者の便に汚染された食物などによる経口感染です。極めて少ない菌で感染を起こすために容易に感染者の便を介して二次感染します。
診断は、便の細菌検査によって行われます。便から大腸菌が検出された場合には、大腸菌の分類の検査を行います。

治療は、下痢に対する治療(安静や脱水予防のための水分補給、消化しやすい食事、腹痛のコントロール、整腸剤の投与)とあわせて、抗生物質の投与などが行われます。一般的な下痢止めは、毒素の排出を妨げるので使用しません。

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