緑内障の発見を目的とした眼圧検査
眼球の内圧を「眼圧」といい、それを測定するのが「眼圧検査」です。おもに緑内障の発見を目的として行われます。健康診断では、空気を角膜に向けて噴射し、角膜の一定面積をへこませるのに要する時間から眼圧を測定する「空気眼圧計」を用いるケースが多くなっています。

目に空気が吹き付けられた感じがするだけで、痛みもなく、すぐに終わるのが長所ですが、脈拍の影響を受け、測定値が一定しないという短所もあるため、複数回測定して平均値をとるのがよいとされています。
これに対し、眼科での検査では、通常、接触型の「ゴールドマン圧平眼圧計」が用いられます。精度が高いのですが、器具が角膜に直接触れるため点眼による麻酔が必要という難点があります。
一般に10~21mmHgが正常眼圧とされ、21mmHg以上であれば「高眼圧」と判定されています。高眼圧であれば必ず緑内障というわけではありませんが、高眼圧の人では一定の割合で緑内障になるので、眼底検査や視野検査などの精密検査を受ける必要があります。
ただ、日本人には、眼圧が正常範囲内なのに緑内障を発症する「正常眼圧緑内障」が多いことがわかっています。したがって、眼圧だけでは、緑内障の診断はできません。
正常眼圧の基準値を見直す必要も指摘されており、最近では、20mmHgでも精密検査が必要とされることもあります。眼圧が高く、眼底検査で視神経乳頭の陥凹もみられる場合は、緑内障が強く疑われます。
ドライアイの検査
ドライアイであるかどうかは、1.涙の量が十分に出ているか 2.涙の質は悪くないか 3.目の表面の粘膜に傷などの障害があるかどうか-を検査すればわかります。

涙の分泌量を測定する検査にはシルマーテストがあります。これは、濾紙でできた試験紙を下まぶたの端に5分間挿入し<、試験紙が涙でぬれた長さで涙の量を測ります。両岸を同時に検査し、濾紙の濡れが5mm以下なら分泌量が低下していると判定されます。
涙の質は、涙液層破壊時間(BUT:break up time)で調べます。まばたきをしないでいると角膜上の涙の層が破壊されます。この涙液層が破壊されるまでに掛かる時間は、涙の表面の油層が不足してくると短くなります。正常では10秒以上あり、5秒以下なら異常と判定されます。
粘膜の傷は、フルオレセインあるいは、ローズベンガルという色素で生体染色して、細隙灯顕微鏡で観察します。角膜や結膜の上皮細胞に傷があれば、表面の細胞が欠落しており、その部分が染色されることがわかります。また染色される場所や範囲で、ドライアイの程度や原因がある程度判定できます。
コンタクトレンズとドライアイの関係
涙はコンタクトレンズと黒目(角膜)の間で潤滑油になっているために、コンタクトレンズを使うと多くの涙が必要になります。また、コンタクトレンズで覆われた角膜は、涙に含まれた酸素を必要としているので、ドライアイでは、酸素不足から角膜を傷つけやすくなります。

コンタクトレンズは眼表面の涙を吸い上げてしまうので、レンズで覆われていない角膜に隣接した結膜の部分がまず障害を受けます。コンタクトレンズを入れると黒目の左右の部分が充血しやすいのはこのためです。
ソフトコンタクトレンズの装用者では約80%、ハードコンタクトレンズでは約70%の人が目の乾きを訴えているといわれており、コンタクトレンズの使用はドライアイになりやすいといえます。
症状が進むと、角膜上で動くコンタクトレンズ自体が上皮細胞を傷つけることになり、異物感や眼痛、まぶしさなどが生じます。レンズには、目の脂や最近が付着しているので、傷から細菌が感染して、角膜炎になりやすいのです。
このような場合には抗生物質を使用した集中的治療が必要となります。症状が繰り返し現れる場合は、コンタクトレンズの使用を中止する必要があります。
目薬の防腐剤について
目薬には薬である主成分以外にも、涙の浸透圧に近づける等張化剤、目薬のpHの変化を防止する緩衝剤など、さまざまな添加剤が含まれています。これらのなかで、最もよく話題に取り上げられるのが防腐剤です。
未開封の目薬は無菌製剤ですが、いったん使用すれば、手指あるいは結膜嚢の微生物により二次汚染を受ける可能性があります。そこで、使用中の微生物汚染を防止するために、防腐剤の配合が必要となってくるわけです。

一方、防腐剤の副作用としては、目の周囲が赤くただれるアレルギー性接触皮膚炎と、角膜と結膜に起こる障害が知られています。しかし、日本薬局方に記載されている「保存効力試験」に合格するだけの防腐剤を配合する必要があり、このような副作用の心配が少しあるにしても、目薬には通常、防腐剤が配合されています。
しかし、近年は防腐剤の入っていない目薬も登場しており、ドライアイなどの涙の量が少ない人は防腐剤の影響を受けやすいので、こちらを使用することがすすめられています。大きく分けて次の3種類が存在してます。
一つ目は、1回使いきりのユニットドーズタイプの目薬です。この場合、目薬は1回の点眼で使い切りになっているので、二次汚染の心配はありません。
二つ目は、最近製品化されてきた点眼容器のノズル部分にフィルターが装着されている特別な点眼容器に充填された目薬です。この場合、外部からの微生物進入はフィルターでカットされるので、フィルターから内側の目薬は汚染されません。しかし、フィルターの外側の部分の汚染が問題になるかもしれません。
最後の三つ目は、オフロキサシンやレボフロキサシンといったフルオロキノロン系合成抗菌薬が配合されている目薬です。この場合、主成分である抗菌薬は、防腐剤の働きも同時に行い、その目薬は日本薬局方の「保存効力試験」にも合格しています。
オフィス街では反射紫外線にも注意しましょう
じめじめとうっとおしい梅雨が過ぎれば、紫外線がキツ~イ夏がやってきますね。「紫外線はお肌の大敵!」とクリームや日傘、バイザー、サングラス、手袋と完全武装でお出かけになる女性の方も多いと思います。近頃、医療品大手メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンと金沢医科大学が共同で行った調査によると、都会のオフィス街では直射日光が少なくても、有害な紫外線を浴び続けている可能性があることがわかりました。

これはビルや路面に紫外線が反射するためで、日傘やバイザーのように上からの紫外線に備えているだけでは不十分ということになります。また、とかく女性の問題とされがちですが、紫外線は目にも影響をおよぼし、白内障や翼状片(よくじょうへん)のリスクを高めるので男性も注意が必要です。
白内障は目の中の水晶体が酸化されて濁ることため、入ってきた光が散乱してはっきりとした像が結べず、物がぼんやり見える病気です。一方、翼状片とは聞きなれない病名ですが、白目にある結膜が、目頭から黒目に向かって盛り上がりつつ侵入してくる病気です。悪性の組織ではありませんが、充血や異物感が現れたり、黒目の部分にまで侵入が及ぶと乱視や視力低下の原因にもなります。根本治療には手術が必要です。
調査を行った金沢医科大学の佐々木洋教授(眼科学)によると「オフィス街では上からの紫外線を防ぐだけでは不十分。サングラスやUVカットのコンタクトレンズなどの対策をとることが大切。」とのことです。


