消化器 | 今日の健康トピックス

長時間の空腹は胃・十二指腸潰瘍のもと

胃や十二指腸の病気は、不摂生の積み重ねの結果ともいえます。そこで予防は、3回の食事を含め、生活サイクルを規則正しくすることが第一です。

とりわけ、長時間、空腹のまま過ごさないことが肝心です。例えば、夕食が遅くなってしまう場合は、夕方に牛乳や乳製品をとっておくとよいでしょう。
このときに甘いものを取りすぎると肥満の原因になるので、ヨーグルトなどを無糖にするような配慮も必要です。

潰瘍を起こす人は、「かき込むように食べる」人が多いので、よくかんで、ゆっくり食べることが大切です。箸を置いて一口30回以上が目安です。食後は休息を十分に取りましょう。

また、すぐにカッとなったり、くよくよしやすい場合は、趣味やスポーツで心身をリフレッシュすることも大切です。

黒色の便が出たら、消化器からの出血の可能性

便の色は食べ物に影響を受けて変化しますが、黒くて生臭いコールタールのような便が出るのなら、食道、胃、十二指腸のどこかから出血している可能性があります。

顔色が悪く、全身の倦怠感があったり、ちょっとしたことで動悸や息切れがするなどの症状があれば貧血が起きていると考えられてます。小腸や大腸からの出血なら赤~赤黒い便が出ます。便の表面に血液が付着する場合は、大腸の下部からの出血が考えられます。

ただちに胃カメラ(内視鏡)による検査を受け、出血原因を突き止めましょう。胃潰瘍十二指腸潰瘍などの出血なら、内視鏡を使って血を止める処置ができる場合があります。

近年、胃潰瘍や十二指腸潰瘍はヘリコバクター・ピロリ菌という細菌によって引き起こされることがわかってきました。日本人の50歳以上では70%以上がこの菌を持っているとされています。
ピロリ菌は、胃の検査、血液検査、呼気検査などで診断されます。現在この菌を除菌する治療は、検査をして胃潰瘍や十二指腸潰瘍と診断された患者に対してのみ健康保険が認められています。

便通は健康のバロメーター

食生活の偏りや運動不足、職場でのストレスなどで、便通がスムーズでない、下痢をしやすいなど、排便で悩んでいる現代人は大勢います。便通異常は心身のバランスが崩れると現れやすく、健康のバロメーターとされています。

では、どのような状態を「快便」というのでしょうか?食べたものは24~48時間後に便として排泄されるので、個人差はありますが、1、2日に1回排便があればまずは快便といえるでしょう。

便は、食物繊維が芯となり、その周りに食べ物のかすなどがついてきます。つまり食物繊維をたっぷりとることが便通を整える基本となります。会また、ビフィズス菌が不足すると、腸内細菌のはたらきが鈍り、便通異常につながるため、ヨーグルトや納豆などの発酵食品も欠かせません。

排便は朝がポイントです。体を軽く動かし、しっかり朝食を食べ、便意がもよおしてくるのを待ちましょう。すっきりとしたお通じは1日の健康のサインです。

ピロリ菌検査

ピロリ菌は胃粘膜に感染する細菌で、胃がん急性・慢性胃炎胃・十二指腸潰瘍などと関係することがわかっています。主に胃・十二指腸潰瘍を患っている人に行う検査です。

検査には、内視鏡検査で胃粘膜を採取して細菌の存在を確かめる方法と、呼気、血液、尿、便などから調べる方法とがあります。呼気からは感染の有無が、血液、尿からはピロリ菌の抗体が、便からは抗原が測定できます。

陰性であれば、ピロリ菌に感染していません。陽性で胃・十二指腸潰瘍があれば除菌治療の対象となります。また、併せてペプシノーゲン検査を行なうと、慢性胃炎や萎縮性胃炎の判別ができます。

なお、ピロリ菌を抗生物質などで除菌治療しても、尿・血液・便を検体とした検査では陽性状態が続きます。この場合は呼気検査で消失したかどうかを判定します。

苦痛の少ないカプセル内視鏡

消化器疾患の検査といえば、「まず~い!もう一杯!」でお馴染みのバリウム検査とチューブを飲み込む内視鏡検査が有名ですよね。とくに、内視鏡は先端に器具を取り付けることが可能なために、検査時に発見した病変に対して治療や処置を行うことができるので現代医療には欠かせない存在となっています。

しかし、昔に比べると格段にスリム化したとはいえ、チューブを口から入れることにどうしても慣れることができない方も少なくありません。歯ブラシを口の奥に持っていっただけで、「オェ~」となる人は間違いなくアウトです(笑い)。バラエティ番組で拝見したのですが、とんねるずの木梨さんは相当「オエ~!オエ~!ゲロゲロ!!!」やっているとのこと。そんな方のために開発されたのが、カプセル内視鏡です。

カプセル内視鏡はその名の通り、大きさが3cmにも満たない錠剤で、中には小型カメラが内蔵されています。水といっしょに飲み込むと、食べ物と同じように小腸内をゆっくり移動しますので、内蔵されたライトで消化器官内を照らして、連続撮影していきます。苦痛もまったくなく、動画撮影も可能です。これらの映像は腰につけた専用の記録端末装置に自動で送信、保存され、後日、医師ががチェックします。

日本でも保険適用となっているのは小腸を対象としたカプセル内視鏡です。小腸は、長い間「暗黒の臓器」とも呼ばれ、病気の診断が難しい場所だったのですが、この検査法の登場により、今までは発見が難しかった小腸内のちょっとした出血や腫瘍なども発見できるようになりました。

ただし、画像の読影に技術と時間を要する、移動速度を調整できない、内視鏡のようにその場で処置を施せないといった欠点もあります。小腸に限っていえば、近年登場した小腸専用の内視鏡(ダブルバルーン内視鏡)と組み合わせることで、これらの欠点はカバーすることができます。

ただし、保険適用となるのは原因不明の小腸出血が疑われる場合だけで、胃や大腸の検査には使えません。胃や食道の場合は、口の代わりに鼻からチューブを挿入する経鼻内視鏡も普及してきており、こちらも嘔吐感や息苦しさなどの負担が軽減されていますので、気になる方はお近くの病院で問い合わせてみてください。