前立腺がんの治療法
前立腺がんには多くの治療法がありますが、主なものは「手術療法」「放射線療法」「内分泌療法」の3つです。

手術療法は、前立腺がんを取り除く治療法です。放射線療法では、前立腺全体に放射線を照射し、がんを死滅させます。近年は、前立腺に、放射線を発する小さな金属製のカプセルであるシード線源を50~100個程度埋め込んで治療する「小線源療法」が注目されています。従来の放射線療法に比べて、より集中的に照射でき、合併症が少ないのが利点です。
内分泌療法は、男性ホルモンの分泌を抑えたり、前立腺への男性ホルモンの影響を抑えたりして、がんの進行を防ぎます。前立腺がんは、男性ホルモンの刺激を受けて大きくなる性質があるので、その性質を利用して治療するのです。
治療法の選択には、患者さんの年齢や健康状態、前立腺がん以外の病気なども考慮されます。担当医とよく相談し、治療による合併症について理解した上で、納得して治療を受けましょう。
主な合併症には、尿漏れや排尿通などの排尿障害、あるいは勃起不全や性欲低下などの男性機能障害などがあります。しばらくすると回復するものもあれば、回復が難しいものもあります。
前立腺がんを発見するための検査
前立腺がんの早期発見に役立っているのは、PSA(前立腺特異抗原)を調べる検査です。PSAは前立腺の細胞が作り出す物質で、前立腺がんができると多量のPSAが血液中に出てきます。この量を測定することで、早期の段階からがんの有無をチェックできるというわけです。

PSAの値は4ng/ml以下が基準値で、これを超えている場合には、前立腺がんの疑いがあると考えられ、より詳しい検査が行われます。ただし、4ng/ml以下でも前立腺がんのある人はいます。
定期的にPSA検査を受け、数値が急上昇してきたときは注意が必要です。
また、医師が肛門から指を入れて直腸の壁越しに前立腺を触れ、がんの有無を調べる直腸診も行なわれます。この検査では前立腺肥大症や直腸がんの有無も調べることができます。50歳以上の人は一度受けるとよいでしょう。
そのほか、超音波を出す超音波プローブを直腸に入れ、前立腺の状態をモニターに映し出す経直腸的超音波検査があります。がんの在る部位やがんの大きさがわかる場合があり、治療方針の決定に役立ちます。
がんかどうかを確定するためには、直腸の壁越しに前立腺の数箇所に針を刺し、組織を採取して顕微鏡で調べ、がん細胞の有無を調べる前立腺生検を行なう必要があります。生検は外来や1泊程度の入院で受けることができます。
検査の合併症として出血が起こることがあります。また、直腸内から針を刺すため、直腸内の最近が前立腺に入る可能性があります。そのため、検査の前後に抗菌薬を使用するなどして、感染症が起こらないようにします。
前立腺がんの特徴
前立腺は、内側の内腺と外側の外腺から成り、それを被膜が包んでいます。前立腺がんの多くは尿道から遠い外腺に発生するため、早期には排尿への影響はほとんどありません。

進行してがんが大きくなると、尿道が圧迫されて排尿障害などが現れるようになります。また、前立腺がんは骨に転移しやすく、脊椎に転移すると背中や腰の痛みが起きたり、背骨に転移したがんが神経を圧迫して神経麻痺や歩行障害などが現れたりすることもあります。
前立腺がんは、50歳以降の男性に多いがんです。早期には症状がほとんど現れないため、かつてはがんが進行してから発見されることが多くありました。
しかし、早期発見に役立つ検査が普及し、早い段階で発見されるケースが増えています。
がんワクチンの臨床研究、中間結果を発表
副作用が少ないために通院での治療もでき、抗がん剤よりも費用が低いとして期待されているがんワクチン。開発はアメリカが先行していますが、日本国内でも現在全国10ヶ所以上の病院でこのがんワクチンの臨床研究が進められています。

対象となっているのは食道がん、膵臓がん、大腸がん、膀胱がんなどで、国内過去最大規模の臨床研究となっており、今後も研究を重ね、新薬の承認申請を目指した治験に入る予定です。
日本消化器外科学会で東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの中村祐輔教授が明らかにした中間的な解析結果によると、進行・再発で標準的な治療法が無効だった大腸がんで、6割の患者さんにがんの縮小や一定期間悪化しないなどの効果が認められたのをはじめ、膀胱がんではがんの縮小が、膵臓がんでは抗がん剤との併用で、患者27人中18人で何らかの効果がみられたとのことです。
がんワクチンは、がんに対する免疫反応を特に強め、攻撃するのが狙いです。中村教授らは人の全遺伝情報を調べ、がん細胞で活動しながら、正常細胞ではほとんど働いていない遺伝子をみつけた。その中から強い免疫反応を引き起こす抗原を特定し、複数のがんワクチンを作りました。
40歳を超えたら大腸がんの定期検査を
大腸がんを早期発見するには、大腸内視鏡検査がもっとも有効です。がん年齢といわれる40歳以降は、定期的に大腸内視鏡検査を受け、大腸の状態やポリープの有無をチェックしておくのが望ましいでしょう。

とはいえ、検診目的で人間ドックや病院で大腸内視鏡検査を受けると、健康保険の適用外となるなめ、1回2万5000~3万円程度の費用が掛かります。また、仕事に忙しく、とても時間が作れないという方も多いと思います。
そこで、これといった自覚症状のない場合は、まず便潜血検査をうけるのがよいでしょう。この検査なら、自治体や企業の集団検診に組み込まれていますから、申し込めば簡単に受診できます。決められたとおりに便を採取して送るだけですから手間も掛かりません。
近年では、採取した便を郵送すると、結果が送られてくる民間の郵送検診も普及しているので、これを利用してみるのもよいでしょう。
毎年1回、定期的に便潜血検査を受けていれば、がんを早期に発見する確率が高くなります。また、進行した状態で見つかるという事態も避けられます。そして3~5年に一度は、人間ドックなどで大腸内視鏡検査を行ないます。
40歳を超えると大腸がんのリスクが高くなります。便潜血検査と大腸内視鏡検査という有効な2つの検査をサイクルで組み合わせれば、たとえがんになっても、早期発見が可能です。
BMI指数と大腸がんの関係
肥満度の判定方法として一般的に用いられているBMI指数(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)は22.0が標準値とされ、統計的にみていちばん病気にかかりにくい体型とされています。

厚生労働省の研究班が40~69歳の男女10万人を対象にBMI指数と大腸がんの関係を調査したところ、BMI指数が27以上30未満の人の大腸がんリスクは、25未満の人の1.4倍も高まり、30以上では1.5倍まで上昇するということが明らかになりました。
逆にいえば、大腸がん、動脈硬化、心臓病、脳卒中などの生活習慣病のリスクを減らすことができるわけです。
ダイエットの方法には、食べる量を抑える「摂取エネルギー抑制型」、からだを動かすことで脂肪を燃やす「消費エネルギー促進型」、これらをミックスした「併用型」があります。
なかでも、規則正しい生活、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス解消を取り入れた併用型に、サプリメントなどを組み合わせ、効果的に痩せるのが理想的です。


