慢性心不全と運動療法 | 今日の健康トピックス

慢性心不全の悪化予防には適度な運動が必要

慢性心不全の患者さんに対しては、心臓に負担をかけないように安静にしていることが肝要-というのが以前は常識となっていました。しかし、安静を強いられると廃用が進み、ADL(日常生活における活動)が大きく低下します。そのため、医師の間では動かないことに対する不利益が認識されはじめ、運動療法の研究が進んだのです。

まずは10分程度の歩行から始めましょう

1980年代になると、慢性心不全の患者さんに対しては、適度な運動なら安全に行えて運動対容能やQOL(生活の質)を上げるという報告が相次ぎました。その後、予後や再入院率も低下させることが明らかになり循環器医の注目を集めました。さらに、2004年には、比較試験をまとめた研究が発表され、運動療法の地位は確固たるものになりました。

最近は運動が心不全の予後を改善する気所について、分子レベルの研究も進んでいます。その一つは、抹消の内皮機能の改善です。運動をすると一酸化窒素の産生により血管が拡大し、血流が良くなります。すると抹消に十分血流が供給され、血管抵抗も減り、心臓への負担が減るというわけです。

さらに、心不全の患者さんは元々交感神経優位ですが、運動を続けることで副交感神経優位の状態となり、心臓への負担が軽減され、喚起効率も改善されることがわかっています。

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