今日の健康トピックス

血液検査:ヘモグロビンとヘマトクリット

ヘモグロビンは、赤血球に含まれている血色素で、ヘムという鉄分とグロビンというたんぱく質とが結びついたものです。このヘムという鉄分に酸素が結びついて、酸素を体中に運び、不要になった二酸化炭素を運び出しています。

一方、ヘマトクリットとは、一定量の血液の中に、赤血球がどれだけ含まれているかをパーセント(%)で表したもので、血液を遠心分離機にかけて沈殿した赤血球の比率を測定します。いずれの検査も主として貧血の有無を知るために行なわれます。

ヘモグロビンの基準値
男性:13.0~16.6g/dl 女性:11.4~14.6/dl

ヘマトクリットの基準値
男性:38.0~48.9% 女性:34.0~43.9%

ヘモグロビンヘマトクリットの値は赤血球数と連動していますから、低値の場合は貧血、多い場合は多血症です。貧血は種類によって2時検査の方法、さらには治療法が異なってきますので、注意が必要です。高値で多血症が疑われるときは、慢性の心臓病、呼吸器の病気などが隠れているケースもあるのでさらに詳しい検査が必要です。

貧血と診断される人の9割が鉄欠乏性貧血です。貧血予防のためには、レバー、イワシ、カキ、アサリなど鉄分を多く含む食品を積極的にとり、食事の改善に努めましょう。ひじきなどの海藻類や豆腐などの大豆製品にも鉄分は豊富です。

便潜血反応は大腸がんのスクリーニング検査

便は、正常な場合は腸で消化された食べ物のかすを主成分に、消化液、胃腸の粘膜、細菌などから成っていて、血液は含まれていません。もし便に血液が混じっていることがあれば食道や胃腸などの消化器官のどこかが出血していることになります。

しかし、出血が微量の場合は肉眼的には確認ができません。そこで試験紙の色の変化で判定するのが便潜血反応の検査です。従来の方法では食事や薬の制限が必要でしたが、最近は免疫反応を利用して、人の血液のみに反応する方法が用いられています。

陰性の場合には消化管出血の疑いはありません。ただし、潜血は便内で均一ではないので、1回の検査では確定できず複数回の検査を行います。陽性の場合には、消化管から出血している疑いがあります。腹部超音波検査や大腸内視鏡などの精密検査を行い、どこから出血したかを調べます。

陽性の場合、消化管のがん、潰瘍、ポリープなどが疑われます。特に大腸がんやポリープを発見することが多く、大腸がんのスクリーニング検査とし普及しています。

糖尿病の初期段階は自覚症状がほとんどありません

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの量が不足していたり、分泌としても働きが悪いため、血糖値が慢性的に高くなる病気です。診断するにはブドウ糖経口負荷試験が行われます。診断基準となる血糖値は、空腹時が140mg/dl以上、食後2時間の値が200mg/dl以上で、どちらか一方でもこの値に達している場合に、糖尿病と診断されます。

糖尿病は初期の段階では、ほとんど自覚症状が現れません。尿に糖が出るのは、病気がかなり進行し、空腹時の血糖値が160~180mg/dlを超えた状態です。そのころになって、ようやく「尿量が増える、のどが渇く」といった自覚症状が出るようになります。

しかし、これには個人差があり、糖尿病の自覚症状が出ないままさらに病気が進行し、合併症を起こしてはじめて気づくという場合もあります。

高血糖が5~10年続くと合併症が現れます。

高血糖の状態が5~10年続くと合併症が現れます。代表的なものは全身的な血管障害で、細い血管の障害と太い血管の障害に大別されます。

細い血管の障害…糖尿病網膜症、糖尿病腎症
これらは目の網膜や腎臓の糸球体にある細い血管が侵されて起こります。糖尿病網膜症は視力障害を引き起こし、失明することもある、恐ろしい病気です。
糖尿病腎症は、悪化すると人工透析が必要になり、場合によっては生命を脅かすことになります。このほかの、糖尿病が起こす細い血管の障害にはインポテンスなどの神経障害があります。

太い血管の障害…脳卒中、心筋梗塞
糖尿病になると動脈硬化を起こしやすくなり、これが進行すると、心筋梗塞や脳卒中などの重い疾患を引き起こします。また、糖尿病は動脈硬化に直接影響するだけではありません。高血糖と、動脈硬化の要因となる高脂血症や高血圧の間には相乗作用があります。血糖値が少し高めの糖尿病予備軍の人でも、高脂血症や高血圧が余病としてあると、後に動脈硬化を起こす危険性が高いことがわかっています。

40歳以上の女性の半数が経験する尿漏れ

咳やくしゃみをした拍子に尿が漏れ出てしまうなど、自分の意思に反して尿が漏れ出てしまうことを尿失禁といい、一度でも経験した人を含めると、40歳以上の女性の約半数に見られ、外出が心配など生活に支障をきたしている人も少なくありません。

女性の尿漏れの約7割を占めているのが、「腹圧性尿失禁」です。これは、咳やくしゃみ、重いものを持ち上げるなどの動作で、腹圧がかかったときに尿が漏れるものです。骨盤内にある膀胱や子宮などを支える筋肉(骨盤底筋)が弱くなることで起こります。この筋肉は加齢とともに弱くなり、妊娠、出産、肥満、閉経による女性ホルモンの分泌低下がそれに加わります。

次いで多いのが「切迫性尿失禁」です。尿意を感じてトイレに行くが、我慢で傷に途中でもらしてしまうもので、こちらも加齢とともに増加します。脳出血や脳梗塞の後遺症で起こることもありますが、ハッキリ原因がわからないものも多く、いずれも原因となる病態を「過活動膀胱」と呼んでいます。

治療については、軽い腹圧性尿失禁なら、骨盤底筋を鍛える骨盤底筋体操を毎日行なうことで改善します。同時に、尿道の収縮力を増す薬も服用します。これで効果がみられない場合は、TVT手術を受けます。
一方、切迫性尿失禁の場合は、膀胱の過活動を抑える抗コリン薬などが処方されます。

加齢黄斑変性の症状

網膜の中心部には、物の形や大きさ、色、明暗などを識別する視細胞がたくさん集まっている「黄斑部」と呼ばれる部分があります。この黄斑部が加齢などによって障害され、視力低下を引き起こす病気が「加齢黄斑変性」です。
有力な原因の一つに遺伝的な体質があります。ほかにも危険因子として喫煙、飲酒、紫外線、有害な化学物質、食生活などが関係していると考えられています。

この病気は、新生血管と呼ばれる異常な血管が網膜に向かって伸び、血管壁から漏れ出した血液成分や水分がむくみや出血を起こし、視機能に異常をきたす「滲出型」と、網膜の外側にある網膜上皮細胞と、脈絡膜の中の毛細管板という部分が萎縮して、視機能に異常が現れる「萎縮型」の2タイプに分けることができます。日本人に多いのは、滲出型です。

この病気は、ふつう、目の痛みはありません。また、黄斑部の変性は片目に発生することが多く、普段は両目を使い、良い方の目で補いますので、かなり進行しないと異常に気が付かないこともあります。

初期の段階では、中心暗点といって視野の中心が見えにくくなります。物を見ようとすると、ちょうど真ん中の部分がぼやけて見えたりします。人の顔を見ようとしても、目鼻の形や表情がつかめません。
また、物や景色の一部がゆがんで見える変視症が現れます。障子の桟や壁のタイルなど、規則正しく並んだものを片目で見ると、一部がゆがんでいることに気づきます。

視力の低下は、初期には軽度ですが、黄斑変性が進行すると、急激に視力が落ちてきます。もともと視力がよかった人が、眼鏡で矯正しても0.1の視力まで低下するケースも少なくありません。
この状態でも、中心部は見えないが周囲の景色や状況は見えるので、日常生活を送ることができますが、見たいものが自由に見えないという不便さ、精神的な苦痛は大きなものになります。

上記のような自覚症状が現れたら、すぐに眼科で加齢黄斑変性の検査を受けましょう。この病気は、片方の目が発症した人のうちおよそ半数が、その後もう一方の目にも発症するとされていますので、健康なほうの目も、定期的に検査を続ける必要があります。

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